姫路支部 活動報告 建築家講演会(平成20年度)

   

平成20年度建築家講演会      『建築のビヘイビオロジー』  塚本由晴氏 をお迎えして

 

 例年、5月の建築士会総会後に開催していた講演会を、今年度は単独でこの8月に開催した。

夏休み期間中ということもあり、大阪・京都・広島・愛媛からも学生が多く参加された。講師は

新進気鋭の建築家で、ハーバード大学の客員教員もされ、今や世界で活躍される若手建築家である。

 ビヘイビオロジー = 振る舞い学 と言われる。

彼の著書には「振る舞い」という文言を数多く目にするが、

@人間の振る舞い A水・風・光などの自然環境の振る舞い B建築の振る舞い

と三っつの次元の統合 であるといわれる。それがどのように具現化されているかは

アニハウスや事務所兼自宅であるアトリエ・ワンで証明された。

それぞれ、スキップフロアでゾーンが仕切られ、お互いの空間は影響しあいながら対話のある空間として

コミュニケーションが存在する。そして上へ上へと引き込まれ、最上階へと繋がっていく流れにはひとつの

ストーリーを感じた。

 一方、金沢にて、町家のファサードを調査し、保存されつつあるか、又は様変わりしてしまったかの

改修方法により、第一世代から第四世代と色分けして地図に落とし込み、通り毎に町並みの性格が分かる

というマップを紹介された。その分類には「目隠し町家」「リーゼント町家」など楽しいネーミングが印象的だ。

この方法は是非、姫路の市内でもやってみたい手法である。

 今後、塚本氏には是非、姫路にも作品を残していただきたいとお伝えして会を閉めた。

講演会後、講師を囲んでフランクに話のできる立食懇親会をもち、学生達に囲まれにぎやかなひと時を

もった。その後、姫路の町家を見学するコースをにわかに設定し、2軒見学させていただいた後、姫路駅に

お送りして、フルスケジュールの1日は終わった。                   <平内節子>